2009年2月19日 (木)

「観光地域経営フォーラム提言」発表(2月19日)

「観光地域経営フォーラム」では、2月18日の幹事会・総会での審議を経て、19日に以下の3点の提言を発表しました。

.地域経済活性化と雇用創出にむけて、政府は地方の観光関連事業に対する財政出動を強化し支援制度を使いやすく工夫するとともに、地域観光は民間主導で受け皿をつくり広域連携を推進せよ

2.国際会計基準への対応を視野に休暇改革を進め2014年までに有給休暇取得率70%を達成するとともにサービス産業の雇用拡大を実現せよ

3.法定内年次有給休暇の時間単位取得を認め、ワーク・ライフ・バランスを実現し、国民生活の質を向上せよ

記者発表資料⇒09teigen.pdfをダウンロード

平成21年2月19日発表

観光地域経営フォーラム 提言

 今、世界そして日本は100年に一度という経済危機の中にある。しかし見方を変えれば、この難局は日本が21世紀型の高質社会へ転換する機会ととらえることができる。ピンチをチャンスに変え社会システムの改革を進め、新たな成長戦略への軌道を進むときを迎えている。
 取り組むべき課題の1つは、外需主導の経済から内需主導の経済への転換である。地方分権を進め、地方経済を活性化することが必要である。地方と中央のバランスのとれた成長により日本全体の生産性を向上しなければならない。特に限られた産業しか持たない地方では観光関連産業への期待が大きい。交流人口の拡大により地域経済を活性化し雇用創出を実現すべきである。
 もう1つの課題は、高質社会実現にむけた国民のライフスタイルの転換である。時間の使い方に関する意識を変え、生活・人生の充実に向けてワークスタイルを見直すことが必要である。個々の労働者の生産性向上により「ゆとり」を創出し、時間を家庭や地域の生活の質の向上に振り向けなければならない。サービス経済社会となった今日、国民が時間的なゆとりを持ち、様々なサービスを活用することが持続的な経済活性化に繋がる。
 以上の課題認識から本フォーラムは次の提言を行う。

1.地域経済活性化と雇用創出にむけて、政府は地方の観光関連事業に対する財政出動を強化し支援制度を使いやすく工夫するとともに、地域観光は民間主導で受け皿をつくり広域連携を推進せよ

 地方の観光関連産業の実情は極めて厳しい。本フォーラムが行なったアンケートでは8割以上の自治体が地域の宿泊業・飲食業など観光関連産業の経営が厳しいとしている。政府は「観光」に関わる財政出動を強化し、地方経済の活性化・雇用創出に繋げるべきである。
また今回のアンケートでは、半数以上の自治体が国の支援制度を利用したことがないとしている。申請手続きの簡素化や条件の緩和など政府は地方が使いやすい支援制度への一層の工夫を図る必要がある。同時に、国の支援制度を利用する受け皿を地域の観光協会等が中心につくり、自治体や商工会、地域NPO、住民等を巻き込みながら民間主導で広域連携を積極的に推進していくことが望まれる。

2.国際会計基準への対応を視野に休暇改革を進め2014年までに有給休暇取得率70%を達成するとともにサービス産業の雇用拡大を実現せよ
 
米国が国際会計基準採用を認める方針を打ち出したことにより、日本でも採用を巡る議論が活発化している。日本の採用にあたっては多くの課題があるが、その1つに有給休暇引当金がある。現在、日本は未取得の有給休暇を債務として認めていないが欧米は認めており国際的な会計基準の統一により有給休暇の未取得分を負債として計上しなければならなくなる可能性がある。この場合、日本の有給休暇取得率が50%に満たないのに対し、欧州はほぼ100%、米国も70~80%と言われており、国際的にみた日本企業の財務諸表の相対的劣化が懸念される。日本の企業は従業員の有給休暇取得を促進し、遅くとも2014年までには70%を実現すべきである。
一方、有給休暇取得促進は一時的に企業に負担をかける可能性はあるが長期的には大きな経済効果と雇用創出効果が期待できる。最近の研究では、労働時間の削減(月10時間削減)を実施した場合、2015年までに19兆円の経済波及効果とサービス業を中心とした120万人の雇用創出が得られるという試算もある。長期的な視点を持ち、休暇取得促進に取り組むことが望まれる。

3.法定内年次有給休暇の時間単位取得を認め、ワーク・ライフ・バランスを実現し、国民生活の質を向上せよ
 
経済活性化を図るためには長期休暇の取得促進が望ましい。しかし現状を踏まえれば、いきなり欧米並みの長期休暇を取得できるようになることは困難である。まずは「誕生日休暇」や「記念日休暇」、運動会・卒業式といった家族の行事に合わせた休暇の導入、さらには通院等に配慮した法定内年次有給休暇の時間単位取得を認めるなど個人のニーズに合わせた制度により休暇取得を奨励し、休暇取得の時期の分散化をはかりながら有給休暇取得率の向上を実現するとともに、休暇を取得しやすい環境を整備すべきである。また、現在、全国一律の国民の休日についても地域がその風土・文化・生活に合わせて時期を柔軟に設定できるような政策も必要である。こうした政策によりワーク・ライフ・バランスを実現し、国民の生活の質の向上と生産性向上を両立することが望まれる。政労使が一体となり日本人のライフスタイル、ワークスタイルを根本から見直す時期に来ている。

以上

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